ワシントン報告(2月24-27日)

最近のワシントンの声を直接聞き取るために、先週(2月24日―27日)、ワシントンを一人訪問しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(訪問先、ブルックスSAIS教授、オースリンAEI日本部長、ラインハート議会調査局日本課長、ダシェル元上院議員、モチヅキ・ジョージワシントン大学教授、グッドマンCSIS政治経済部長、スミスCFRシニアフェロー、メルビーさん(スコウクロフトグループ)、ゴードン・ユーラシアグループ研究部長、ナウ・ジョージワシントン大学教授、バーガーさん(オルブライトグループ)、グレイザーCSIS上級研究員、ズムワルト国務省次官補代理、ショフ・カーネギー財団上級研究員等々)

一様に、年末以降ワシントンにおける対日空気が一変したことを強調していました。米側のポイント以下のとおり。(識者間で意見の相違はほとんどなし。)

1.現在、日米間にコミュニケーション・ギャップが存する(ワシントンが「修正主義」について懸念していること等について)。
その解決の為に例えば大統領はもっと頻繁に総理と電話で直接話をすることが必要。

2.靖国参拝についてワシントンは厳しい見方をしている。在京米大使館の「disappoint」は、その趣旨で練りに練った表現。ホワイトハウスからの指示でもある。
靖国に行くまでは、むしろ韓国の朴大統領がやり過ぎではないかという安倍総理に対する「同情」があったが、年末の靖国参拝で空気が一変した。今では、韓国の言い分がやはり正しかったのかもしれないとの受け止め。
安倍総理の靖国参拝に続き、NHKの人たちや補佐官等が困惑するメッセージを出したことがワシントンの対日空気を更に悪化させている。
今回は説明「不足」ではない。しっかり説明を聞けば理解されるという次元の話ではない。
東京裁判をどう受け止めているのかの根本が問われている。
近年、ワシントンでの中国と韓国の存在感が増えたのに対し、日本の存在感が無くなっている。中国はCCTVがアメリカで浸透、日本の比ではない。CCTVはアメリカ人にも面白いように工夫され、その隙間に中国の見方が織り交ぜられている。アメリカの大学への日本からの留学生も減少している。
日中韓三国関係について本当は日本が主導して事態を沈静化してほしいのに、それができないどころか、火に油をそそいでいることに失望している。
日本と韓国という、アメリカにとっての同盟国同志がここまで反目しあうと、東アジアの安全保障にとって深刻な事態(特に北朝鮮)を招きかねない。米国の未来は日韓関係次第。

3.慰安婦問題は女性に関わる問題であり、政治的にセンシテイブで深刻であることを理解すべき。
発想としては、何が起こったのかの「history」を詮索するより、慰安婦達に対する「compassion」の問題と捉えた方がワシントンの空気と合致する。
慰安婦問題について議会が決議を通すようになるかもしれない。(以前、日本の政治家達が新聞広告を出したことにより、決議が通過したことがある。)
強制の証拠云々が論点ではなく、そのような仕組みが存在したのは事実だ。他の国も同じことをやっていたと言うが、米国にはそのような仕組みはない。
日本としては、やはり全般的な責任を受け入れて前に進むべき。対応がまずいのではないか。
東京裁判の否定等の歴史問題ではなく、アジア・太平洋の新秩序つくりなり、高齢化社会等の問題解決のモデル提示なりに取り組むことの方が、日本に真の「誇り」をもたらすのではないか。
今、安倍総理に対して、ワシントンには賛否両様の見方が存する。アベノミクス、TPP等については〇、中韓との関係、河野談話否定の噂等については✖。安倍総理の1年目は目を見張ったのに、2年目は靖国で様変わり。安倍総理はTPPをまとめ、経済に焦点を当てれば歴史に名を残せる。

4.TPPについては、議会が中間選挙を秋に控え、地元の事情で賛成を言えない議員が多い。年末までに議会が賛成するまでには至らないだろう。
TPPが国内雇用を奪うとか、格差を拡げるとかの見方をしている議員が多いが、議会はTPPの重要性について理解していない。大統領側は、議会対策をもっと本気でやるべき。

5.TPP、日中韓自由貿易協定、RCEP、これに北東アジアの経済連携枠組み(日本海周辺諸国+米国)も構想し、それらを統合することが、未来に向けての大戦略たり得る。