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資本主義は自らの欠点(格差)を解決せねばならない

今週金曜日(日本時間の土曜日)にはトランプ新大統領が誕生する。彼はアメリカ流の資本主義が生んだ大きな「格差」問題の落とし子だ。移民、グローバリズムに仕事を奪われたと感じるアメリカの白人中産階級が没落し格差に苦しむ怒りを巧妙につかんで大統領選挙に勝った。

フランスのトマピケは資本主義は本質的に格差を生むと指摘する。

過去百年かけて、資本主義対共産主義の対立は、共産主義の敗北でケリがついている。今、資本主義は、自らの生み出す「格差」の問題と戦っていると言える。

しかし、トランプ氏は、日本の国民皆保険制度を念頭に、オバマケアと言われる制度をつくり医療格差の解消を図ったが、トランプ氏はそれを反故にすると言う。格差解消とは逆の動きだ。

トランプ氏のチームには、アメリカの財界からの大物起用が見られるが、アメリカ財界こそは格差を生み出した張本人だ。彼らは、今さえよければよい、自分さえよければよい、儲かりさえすればよい、という資本主義の一番悪いところを体現してきた人たちであり、格差を解消することが一番大事だとは思っていないように見える。

世界中で起こっている現象の大半は、格差の問題から説明することも可能だ。イギリスのEU離脱しかり、中国の習近平主席の抱える諸問題しかり、イスラム国が生まれた背景しかり。

世界の流動化現象の根源には格差問題が在るのではないか。資本主義は共産主義との対決には勝ったかもしれないが、今、格差という自らに内在する問題を解決する、即ち自らを変えるという難問を抱えている。

日本にも格差問題は存する。日本はいかに格差の諸問題を解決するかのモデルを世界に示すことができれば、世界に大きな貢献を果たすことができる。それは文明史的な意義を有する。日本の政治家としてそのことを念頭に置いて頑張ろう。

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